KDR-085

kalotaxis




抗えない美への憧憬、その追求の先には何が待つのか。





古代ギリシア語で"美しい"を意味する「kalos」。
生物が外部からの刺激に対して運動を起こす性質である"走性"を意味する「taxis」。






本作「カロタクシス」は、人が美を求めることを誰もが本能的に持ち得る習性ととらえ、この二つの言葉を組み合わせてタイトルとしました。
love solfegeの楽曲が描く様々な「美の追求」の形とその結末の中に、あなた自身の求めてやまない「美」を見出していただければ幸いです。





news

2018. 07. 24 特設ページ開設
2018. 07. 24 トラックリスト公開
2018. 07. 26 クロスフェード動画公開
2018. 08. 01 Commentary(楽曲解説)公開
2018. 08. 03 通信頒布受付開始

track list

1. Kalotaxis
歌:綾野えいり/原詞:真名辺あや/訳詞:Simona Stanzani Pini/作曲:オーギュスト棒

2. Amadeus
歌:桜庭わかな/作詞:山下慎一狼/作曲:オーギュスト棒

3. statera stabilis
歌:真名辺あや/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒

4. Congrega delle streghe, ore 26:00
歌:綾野えいり/作詞:Simona Stanzani Pini/作曲:オーギュスト棒

5. April on the shoe
ピアノ・作曲:オーギュスト棒

6. la farfalla
歌:真名辺あや/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒

7. crayon
歌:真理絵/作詞:藤里くるみ/作曲:オーギュスト棒

8. dyads
歌:安田みずほ/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒


9. Kalotaxis ~off vocal~

10. statera stabilis ~off vocal~

11. Congrega delle streghe, ore 26:00 ~off vocal~

12. la farfalla ~off vocal~






staff

Music:auguste beau
Arrangement:auguste beau
Vocal:ayano eiri, sakuraba wakana, manabe aya, marie, yasuda mizuho
Guitar:kato hiroaki
Recording engineer:saka tomotaka
Mix & mastered by:saka tomotaka
Wave edit:mizuno yuu

Art Direction & Drawing:hamano masago

Colorize:shimasara yumeki
Design work:yambalu kuina


information

タイトル:カロタクシス(kalotaxis)
ジャンル:クラシカルアートポップス
ディスクナンバー:KDR-085
発売日:2018年8月10日
価格:【通常価格】2,000/(通販同時頒布)
  



love solfege C94参加情報

参加日: 2018年8月10日(金)
スペースNo.: 西地区"れ"ブロック-31a
サークル名: love solfege

≫外部リンクコミックマーケット公式サイト
≫外部リンクコミックマーケット準備会(Twitter)





通信頒布情報

新作アルバム『カロタクシス』は、以下の販売業者さまに委託させていただいております。


≫外部リンクKodomore Records


≫外部リンクとらのあな
(※店頭委託頒布は新作発売から3か月間のみの頒布です)

≫外部リンクメロンブックス
(※店頭委託頒布は新作発売から6か月間のみの頒布です)


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KDR-085特設ページアドレス
http://lovesolfege.net/s_085/


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commentary

ライナーノーツ by オーギュスト棒

各曲を作曲の立場から独断と偏見で解説しました。


【楽曲解説(カロタクシス)1. Kalotaxis】

1. Kalotaxis
歌:綾野えいり/原詞:真名辺あや/訳詞:Simona Stanzani Pini/作曲:オーギュスト棒

表題曲となるこの曲は不完全なソナタ形式をとり、展開部は歌唱がない形式をとっている楽曲となっている。ソナタ形式とは第一部は提示部、第二部は展開部、第三部は再現部そして終結部を有する曲のことである。完全なソナタ形式にするには時間という壁があった。提示部は2回繰り返す、そして展開部はもっと主題(テーマ)から展開していなければならない。このことを実施すれば楽曲の長さは10分を越えてしまい、クラシックに寄らない方々が飽きてしまう。私は決してクラシックを布教したいわけではなく、テーマに合ったジャンルの音楽、そして我々の提言している「クラシカルアートポップス」を提供したいに過ぎない。このことを鑑みればソナタ形式を不完全にする他ないと考えたわけである。
これから先、空前のクラシックブーム(になるはずがない)になれば、いつか完全なソナタ形式を作ってみたいものである。
ちなみに、不完全なソナタ形式を有するほかのlove solfegeの楽曲は「over the surges」「BABEL」などがあり、いずれも尺の長い曲になっている。



【楽曲解説(カロタクシス)2. Amadeus】

2. Amadeus
歌:桜庭わかな/作詞:山下慎一狼/作曲:オーギュスト棒

冒頭は近現代のモーダルなテーマにバロックのフーガの手法を取り入れ、ポップス部分に入っても、近現代の新古典主義の作曲手法を維持したまま、しかしながらサビはキャッチーにという曲を目指した。歌手の桜庭さんはベテランであるので、ありきたりの楽曲では、もう魅力を出し尽くしただろうという推測からこのような曲調にしたわけである。ジャズは新古典主義から派生したものもあり、あと数年したら、桜庭さんにもジャズを歌って欲しいとレコーディングをしながら思った。本人は「サラブライトマンを目指す」と豪語しているが、どう考えても逆のジャズ方向に向かっていると考えているが、皆さんはどう思うだろうか。


【楽曲解説(カロタクシス)3. statera stabilis】

3. statera stabilis
歌:真名辺あや/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒

序章であるロマン的なごく短いピアノソロから始まり、その後はエピックミュージックに姿を変える。実は、エピックミュージックなるものを私は知らなかった。「love solfegeでエピックミュージックをやったらどうか」という真名辺あやちゃんの提案によって、この曲の企画が立ち上がったわけであるが、何にしろ知識がない私はエピックミュージックの習得から始めないといけないわけで、案の定奥が深く、習得までに2か月かかった。自動的に作曲も2か月以上かかったので、この曲はこのアルバムで一番作曲に時間がかかった曲ということになる。まだまだ習得途中であるため、レコーディング最中にも音符の変更があったり、表現方法の変更があったりと歌手の真名辺あやちゃんには手数をかけてしまった。もし、このlove solfege的なエピックミュージックが好評であれば、今後も研究を続けたいと思っている。ぜひご感想をお聞かせいただきたい。ちなみに、この曲はワンコーラスバージョンであって、フルコーラスバージョンがあったなんて口が裂けても言えないわけである。


【楽曲解説(カロタクシス)4. Congrega delle streghe, ore 26:00】

4. Congrega delle streghe, ore 26:00
歌:綾野えいり/作詞:Simona Stanzani Pini/作曲:オーギュスト棒

この曲は「諧謔曲」(かいぎゃくきょく)である。諧謔曲はスケルツォと呼ばれ、ふつうは3拍子、ふざけた感じの声楽曲(または器楽曲)であるが、ヘソをまげて2拍子にした。どういった風にふざけているかというと、音楽的には(音楽的に)クラシックではありえないタイミングで歌が始まり、冗談のような奇怪なメロディーラインがあったと思えば単純で教科書のようなメロディーがあり、大変滑稽である。歌詞も大変滑稽であり、しかしながら、曲と上手に融合している。今回は歌詞の日本語訳を掲載したいと思う。ご覧になれば、諧謔曲とは何かが掴めるはずである。

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なんて甘美で毒入り青いワイン(なのでしょう)
黒猫たちと烏(カラス)たちが集まって合唱する

微笑む可愛らしいお人形
夜の拍子をとる時計の音

静かな湖に映るお月さまが輝く
さあ、あなたも夜に乗って 飛ぶほうきをとって おいでよ

ほら、もう来るよ
墓場からのお客

(魔女の)宴(だ!)
(魔女の)宴(だ!)

蝋人形が行進する
列になって休まずに進む

ここにおいで 私たちと一緒に踊ってよ
お月さまが空に輝いている間に

そして疲れを知らぬフンコロガシが
タンスの上で青いビー玉を転がす

夜はその魔法で全てを包んでいく

さあ、何をためらうのか 飛ぶほうきをとって おいでよ

ほら、もう来るよ
墓場からのお客

(魔女の)宴(だ!)
(魔女の)宴(だ!)

頭がくるくる ますます酔ってしまう
コウモリ、蛇、ヒキガエルが一緒に踊っている

ほら、雲雀が鳴いてる
夜明けを告げる時計の音

お天道さまが昇って静かな山の間に輝く

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【楽曲解説(カロタクシス)5. April on the shoe】

5. April on the shoe
ピアノ・作曲:オーギュスト棒

単純なABA形式の3部形式のピアノ独奏曲である。「April」とは「4月」ではなく、愛称である。何の愛称かはご想像にお任せしたい。また、今回の曲は比較的演奏が容易である。近々楽譜を公開するので、ピアノが弾ける方は是非挑戦してみて欲しいと願っている。とは言え、私は練習期間を短くとってしまい、内部のスタッフや普段はピアノの先生をしている綾野えいりちゃんに指導を頂いたりしながら、何とか弾き切ったのはここだけの話である。四十肩にもなってしまったし、歳を取るごとにどんどん下手になっていくのがわかるのでとても怖い。練習すればいいのだが、そろそろ演奏は引退し、誰か上手な人に弾いてもらいたいなど甘えた考えがどうしても浮かんでは消えていくといった毎日である。


【楽曲解説(カロタクシス)6. la farfalla】

6. la farfalla
歌:真名辺あや/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒

プログレッシブ・ロックを多少意識して常に技巧的なギターとクラシックを融合させた楽曲である。ロックは多少苦手意識を持っていて、それを隠すためにいろいろと融合していくうちに結果的にプログレになっているのではないかと自己分析している。まずお聴きいただくと、最初にギターの超絶技巧が徹頭徹尾にわたり続く状態が耳に入ってくるわけであるが、ギタリストの加藤広明さんを2日間に亘りプログレ漬けにさせてしまった。一切妥協せずリテイクを出し続けてしまい、申し訳なく思っている。今回ばかりは加藤さんも苦労されていた。また、一般的にプログレの作詞は難しいと言われているが、にも関わらず短期間でピッタリはまる詞を書き上げた真名辺あやちゃんには、もう作詞家としてもやっていけるんじゃないかと感じている。一方で、歌唱自体はそんなに難易度が高くないので、今回カラオケに収録させていただいた。是非皆様に歌っていただきたい。


【楽曲解説(カロタクシス)7. crayon】

7. crayon
歌:真理絵/作詞:藤里くるみ/作曲:オーギュスト棒

ここまで聴いて「暗い曲が多いな…と言うか暗い曲だけじゃないか」というご意見が聞こえてきそうである。そこで、1~6の曲が出来てから、明るい曲も入れようということになり、企画が立ち上がった楽曲である。作詞の藤里くるみちゃんにも楽曲を渡したとき、「え?暗い曲じゃないの?」と言われてしまった。別に明るい曲が苦手なわけではなく、love solfegeに暗い曲が多いだけである。せっかく明るいので、ベースはご機嫌なファンクなベースにし、ハモリも全面に出してとにかく明るい曲にしようと心掛けた。ただ、光があれば影があるわけで、どんなに明るい情景を描いても影はできる、その影もしっかり描写しなくてはと思い、「単なる明るい曲」にはしたくなかった。その点を作詞の藤里くるみちゃんにも読み解いてもらい、感謝している。結果、パート数の多い楽曲になってしまい、真理絵さんはレコーディングで苦労なさっておりました。真理絵さんとはもうそれこそ100年くらい交流があるんじゃないかと感じているので、すべて甘えてしまって完成度優先にさせていただいている次第である。


【楽曲解説(カロタクシス)8. dyads】

8. dyads
歌:安田みずほ/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒

まず、安田みずほさんが初参戦であるので、どうすれば魅力を引き出せるか…というのが企画の立ち上がりである。結果として、安田さんのいつも歌っている楽曲の方向性とは全然違う楽曲になってしまったが、それでも魅力を十二分に引き出せたと自負している。決して安田さんのいつもの方向性を否定しているわけではなく、前に出していない才能=まだ安田さんが出していないカードというものがあるのではないかと暗中模索した結果である。従来の安田さんファンの方はどうか、新しい安田さんの魅力を受け入れていただきたいと切に願っている。
楽曲はクラシック+R&Bの形式をとり、複雑さはない。複雑さがない代わりに、その代償は歌手さんの技量にかかってくる。前述の重圧の中、見事に歌い上げた安田さんには称賛の意を表したい。そして、称賛は「次はどんな曲になるんだろう」とワクワク感を感じさせてくれる。ぜひ新しい安田さんの方向性にご意見を頂戴したい。彼女はまだたくさんのカードを持っているはずである。



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