それは、誰が植えたのか。
いつからそこにあったのか。
二つの国を分ける丘に佇むは
「黒キモノ」と呼ばれる一本の林檎の木
実も葉も無くただ折れ曲がり
垂れ下がった枝はまるで老婆の様な
その木は幾十年もの間、
丘の上より二国を見つめていた
二国は、<反>なれど<順>な関係だった
さながら<白>と<黒>の様に
二国の民も<反>なれど<順>な関係だった
さながら<静>と<動>の様に
「黒キモノ」は愛していた
二国を、民を、そして
両国にわたり広がる自然を
永遠に失われることのない平穏を信じていた
ある日のこと。
それは、勝利の日のこと
燃え盛る炎の先で
人々の歓喜の声が聞こえた
ある日のこと。
それは、終焉の日のこと
燃え盛る炎の中で
絶えゆく友<自然>を見た
そして「黒キモノ」は願うのであった
全ての愛しきものたちを救済する
<終わり>=<始まり>を
2019. 4. 7 特設ページ開設
2019. 4. 7 トラックリスト公開
2019. 4.14 クロスフェード試聴動画 公開
2019. 4.17 tr.2 ショートバージョン試聴動画 公開
2019. 4.21 通販予約頒布 開始
2019. 4.24 楽曲解説公開
2019. 5. 5 通販頒布情報 更新
Music:auguste beau
Arrangement:auguste beau
Vocal:ayano eiri, katakiri rekka, manabe aya
Chorus:kamakita miki, sakata midori
Guitar:kato hiroaki
Drum:yabuki masanori
Recording engineer:saka tomotaka
Mix & mastered by:saka tomotaka
Art direction & Drawing:hamano masago
Design work:hashimoto kei
タイトル:クレプスクルムの林檎
ジャンル:クラシカルアートポップス
ディスクナンバー:KDR-089
発売日:2019年4月28日
価格:【通常頒布価格】マキシシングル 1,300/(通販同時頒布)
参加日: 2019年4月28日(日)
スペースNo.: 第一展示場 "O"ブロック-18ab
サークル名:
love solfege/マッツミュージックスタジオ
≫外部リンクM3公式サイト
≫外部リンクM3公式アカウント(Twitter)
マキシシングル『クレプスクルムの林檎』は、以下の販売業者さまに委託させていただいております。
≫外部リンクKodomore Records
≫外部リンクとらのあな
(※店頭委託頒布は新作発売から3か月間のみの頒布です)
≫外部リンクメロンブックス
(※店頭委託頒布は新作発売から6か月間のみの頒布です)
1. クレプスクルムの林檎
歌:綾野えいり/作詞:橋本ケイ/訳詞:Simona Stanzani Pini/
作曲:オーギュスト棒
曲の構成は「ごく短い前奏ーA(主題)−B(提示)ーC(主要部)ー前奏ーA(主題の反復)ー間奏(短調)ーAの同主調(短調)ー前奏の同主調(長調)ー前奏の拡大・展開部ー提示部への準備ーB(提示の反復)ーC(主要部の反復)ーコーダ(間奏の同主調・長調)」となり、二部形式(A+BC)を反復し、2回目は前奏の拡大変奏が挿入されコーダに至る。この曲はツイッターで曲尺(曲の長さ)のアンケートをとり、一番長い8分台の曲にすることが決まった。(決まってしまった。)飽きが来ないよう、ポップスのサビは3回繰り返すのに対し、できるだけ繰り返しを減らして2回までにし、緩急をつけてドラマティックにした。
長尺の曲なので、作詞訳詞からレコーディングエンジニアさん、ミックスも大変だったと想像する。もちろん綾野えいりちゃんも体力面で心配だったが、なんとか歌いきっていただいた。
しかしながら、聴いていて、長いので飽きてしまわないか心配で仕方がない。love solfegeのリスナーの皆さんの耳であれば、耐えられるであろうことを信じる。
2. thus spoke ravens
歌:真名辺あや/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒
軽快な3拍子の曲である。主観では諧謔曲(かいぎゃくきょく=スケルツォ)という形式で作ったつもりである。と思いきや、突如15/16拍子になり、ある意味、自由で諧謔的である。変拍子の部分は3拍子と解釈することもできる。
(♪.♪.♪.)+(♪♪♪)これで15拍子を拍の長さの違う3拍子と考えればそれほど難しくはないはずである。
これを歌うとなると話は別で、相当の練習が必要になり、気軽に鼻歌で歌える曲ではなくなってしまった。真名辺あやちゃんには別日に事前にリハをしてもらい、本番では見事に歌いこなしてくれた。
ちなみに、前奏は全然関係ないと思われがちだが、コーダで変奏した同じモチーフを使い、諧謔曲部分を挟む形で曲をしめている。終わり方もとても諧謔的である。
3. vein of bane
歌:片霧烈火/作詞:真名辺あや/作曲:オーギュスト棒
コーラス:綾野えいり・鎌北みき・坂田みどり・真名辺あや
クラシックメタルな1曲。love solfegeの盛り上げ曲担当(笑)の片霧烈火さんに歌い上げていただきました。クラシックメタルと言えど、形式はポップスと同様で、音符がクラシックより、演奏や楽器がメタル寄りということである。
まずは、ギターのレコーディングから行い、ギタリストの加藤さんには1日かけてじっくり音を入れていただき、次に合唱のレコーディングで、love solfegeの新人ちゃん含む総動員で多重録りをし、ドラマーの矢吹さんの超絶ドラムでバトンをつないでもらって、最後に烈火たんに歌を入れていただいた。これだけ生録音が多いと、製作時間がいつもの3倍かかり、それぞれの方に苦労していただく結果になってしまった。しかし、それ相応のクオリティーで苦労の結晶が形となり、烈火たん、奏者の皆さま、スタッフには感謝の念でいっぱいである。
4. cough
ピアノ・作曲:オーギュスト棒
ピアノ曲である。ついに近現代曲にまで手を出してしまった。この曲を発表することはlove solfegeスタッフ内でも賛否両論があり、最後の最後まで発表するかどうか迷ったが、結局なんの根拠も理由もなく発表するに至った。
曲自体はバロックのカノン形式に則って書いたものであり、現代クラシック曲よりは形式的で聴きやすいんじゃないかと勝手に思っている。カノンも多重カノン、2倍の拡大カノン、反行カノンをちりばめ、それぞれの声部の音符の根拠を強くした。個人的には楽譜を書いていてとても楽しかったが、聴いていただく人のことを全く考えない突っ走った曲になったのは否定できない。
さて、今回も楽譜を先行して公開します。興味のある方はダウンロードしていただき、さらに近現代のピアノ曲を弾ける方は挑戦してみて下さい。
5. ユキ、オトメ。(2019 ver.)
歌:真名辺あや/作詞:美里香鈴/作・編曲:オーギュスト棒
もう19年前の曲である。約20年である。この曲が生まれたときに生まれた人はそろそろ成人である。3回目の作り直しである。19年前の自分が19年後にまた同じ曲を作りなおすなんて想像できただろうか。
2回目の作り直し時に故・紺野比奈子といろいろな歌唱についての課題を話し合って、いつか録りなおししようという話になったが、叶わなくなってしまった。その遺志を真名辺あやちゃんが継いでくれた形となった。これで、真に課題面はクリアしたので、この曲はこのバージョンが最終形態となる。紺野も喜んでくれていると思う。
楽曲の構成としては、Aというモチーフ、Bというモチーフがあり、最後にAとBが融合し、消えるように終わっていく。とにかくメロディーが難しくて難しくてレコはOKまでに時間がかかったが、前述のとおり、課題を残すわけにはいくまいとカンペキに歌っていただいた。